骨粗しょう症
骨粗しょう症とは
骨粗しょう症とは、骨粗鬆症とは骨量(骨密度)が減る、または骨の質が低下することで骨がもろくなり、骨折しやすくなる病気を言います。骨粗しょう症により骨がもろくなると、つまずいて転倒したなどの僅かな外力で骨折してしまうことがあります。
超高齢社会の今、ご家族ご親戚の方、あるいは周囲のご高齢者の方で、骨折で入院した、手術をしたという話は耳にしたことがあるのではないでしょうか。日本には現在およそ1280万人というたくさんの骨粗しょう症の方がいるといわれていますが、骨粗鬆症の適切な治療をされている患者さまは少ないように感じます。
骨粗しょう症で骨折をした場合、入院が必要になることがあるだけではなく、手術が必要になることが多いです。特に大腿骨の骨折は、よほどの理由がない限り手術を必要とします。また、骨粗しょう症の骨は非常に脆いことから、一般的に手術の難易度があがったり、治りにくくなったりします。ご高齢のため、もともとお持ちのご病気が多い場合は、手術・麻酔のリスクも高くなります。また骨が治っても、筋力が落ちてしまい、生活の動作や、歩く能力が低下し、介護が必要になってしまう患者さまもたくさんいらっしゃいます。
したがって、骨折をしないこと、骨折を繰り返さないことが重要になります。
骨粗しょう症は骨折を起こすまで自覚症状などもないため、骨折してから診断される方がほとんどです。特に閉経後の女性の方や、血のつながった家族で骨折で入院や手術をしたという方は骨粗しょう症の可能性が高くなりますので、一度検査を行うことを勧めます。
骨粗しょう症の診断
骨粗しょう症は骨塩定量、採血などの検査や骨折歴などから診断され、治療を行います。
背骨の骨折(脊椎圧迫骨折)や股関節の骨折(大腿骨近位部骨折)をしたことがある方
この二つの骨折は骨折したことがあるだけで骨粗鬆症の診断がつき、必ず治療が必要になります。
この骨折をしたことがあるのに治療が始まっていない方はご相談ください。
それ以外の患者さま
骨塩定量検査を行い、診断を行います。
当院には設備がないため、提携施設に検査を依頼します。
骨粗しょう症には他にも内科的な病気や薬の副作用からくる続発性骨粗しょう症があります。
その場合は提携病院に検査、治療を依頼することがあります。
骨粗しょう症の治療
治療の本幹は薬物治療になります。
必要に応じて採血を行い、骨代謝マーカーの確認や、ビタミンDの充足を確認します。
現在は内服、注射など数多くの治療薬の選択肢があり、効果の程度、投与回数など様々です。
患者さまひとりひとりにあった治療を行い、骨折をおこす可能性を減らし、健康寿命を伸ばすことで地域の医療に貢献したいと考えております。